フィリピンでの起業は、成長市場への参入という魅力的なチャンスが広がっていますが、同時に多くのリスクを伴う挑戦でもあります。特に日本人がフィリピンでビジネスを立ち上げる際には、現地特有の文化やビジネス慣習、さらには信頼関係やパートナーシップの取り扱いに慎重さが求められます。フィリピンでは「人をすぐに信じすぎること」や「数字に弱いこと」など、特定の性格特性がリスクを高める要因となりがちです。また、政治リスクや為替リスク、そして複雑な株主構成や汚職の問題など、フィリピン特有のビジネス環境も考慮しなければなりません。本記事では、フィリピンでの起業を考えている方が直面するリスクを具体的に解説し、その回避策についても触れます。
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フィリピン起業でリスクが高い人
1.人をすぐ信頼してしまう方
フィリピンのビジネスでは、中国人は中国人に気をつけろ、韓国人は韓国人に気をつけろ、日本人は日本人に気をつけろ、と言われています。
私自身、自分が絶対的に正しく、信じて欲しい、などこれっぽっちも思っていません。
あくまで情報の1つであり、情報自体は複数から取っている方が正確な選択が出来ると思っています。
「この人を信じて」とか「あの人がああ言っているから」とかそういった考えがベースの人はフィリピンでは観光以外しない方が良いです。
根拠や証拠が最も重要で、信頼関係だけで成功してる人を僕は見たことがありません。
信じるなと言う訳ではなく、信じるに値する根拠や証拠を持ち合わせてるかと言うことは常に考えましょう。
2.数字に弱い方
フィリピンで出てくる数字はその根拠を辿るとものすごく適当だったり、嘘だったりすることがあります。
売上や利益、利回りなど全ての数字を疑っていかないと、正しい情報にたどり着けないこともあります。この作業がめんどくさいと思う方はフィリピンでは騙されてしまうことが多いです。
私も数字は得意な方ではないですが、常に確認作業を行って出来る限り運営に支障がないように注意しています。
3.フィリピンを知ってると思っている方
限定的な情報を見て、フィリピンを知っていると勘違いしている方がいます。
例えばフィリピンのキャバクラの女の子だけを参照して、フィリピン人の女性は、と語ってしまう方など。
フィリピンには大きく分けても富裕層、中間層、貧困層があり、それぞれ全く考え方も習慣も異なります。限定的な情報だけで知ったかぶりをしてしまうと、痛い目にあいがちです。
私はフィリピンに約8年住んでいて、英語とタガログ語が日常会話程度出来て、富裕層、中間層、貧困層それぞれの層と関わっても、新しい発見や知らなかったことなどは毎年あります。
またフィリピン自体が急速に変化していることもあるので、出来るだけ決めつけず、あらゆる可能性を考えて、フィリピンをわかってると思わないようにしています。
フィリピン起業のデメリット
1.株主とパートナー
フィリピン起業のデメリットとしてまず上げられるのが、株主構成です。
フィリピンにはポジティブリストとネガティブリストがあり、簡単にまとめると、フィリピン国内でペソを稼ぐ商売には規制があります。
例えば飲食店やサービス業がもろに当てはまります。
対してITやコンサルティングなどの外貨を稼ぐ商売に関しては、日本人が株を持つことを許されています。
フィリピンで事業をやりたい方は、そもそも株を持てないと言う前提が必要です。
資本金を積めば事業も出来ますが、実際積んで事業をしている事業者がほとんどいないのを見ると、あまり現実的ではありません。
そうなると必要になるのがフィリピン人パートナー、もしくはフィリピン人で構成された法人です。
何度も言いますが、これはフィリピン人に圧倒的優位性があり、権利は基本フィリピン人が持っていると思ってください。
その上でビジネスをするので、例えば売上を持ち逃げされても正当な権利を行使しただけです。
ここは最も回避が難しいのに、事業をやる前に決めなければならない点です。
この点は多くの人に意見を求めるに越したことはありません。1番の基礎の部分です。
2.政治リスクと為替リスク
フィリピンでは国民のほとんどが政治に参加し、大統領を決める時などは選挙ムードが国を包むほどの関心があります。
これは裏を返せば大統領によって国の未来が変わるから、とも言えます。
日本の場合は誰が総理大臣になってもあまり変化がないですよね。
でも日本人の平均年収が、総理大臣によって±100万円変わるとしたら大きな関心事項になると思います。
そんな背景があり、フィリピンでは大統領や市長、知事が変わるとビジネスルールがいきなり変わってしまうことがあります。
例えば今まである知事と仲良くしていて、ビジネスも優遇してもらって運営していても、ある日知事が変わった途端、そういった優遇措置が全てなくなってしまう、そんなことがあり得るのです。
特に大企業はこのリスクに晒されることが多いため、日本の製造業の進出が進みづらいのです。
また為替リスクもあります。こちらのグラフを見てください。
2023年現在は円高の時にビジネスに投資した人は大きなメリットがありますし、今から参入すると為替リスクが発生しやすいと言えるでしょう。ただこれ以上に円安が進む可能性は十分あるので、外貨を稼ぐチャンスとして参入する企業も多くあります。
3.商習慣の違い
僕はビジネスを実際やるまで知る由もありませんでしたが、ここは非常に難しい問題だなと感じています。
簡単に言うとビジネスパーミットを出す市役所、警察、税務署の汚職があり得ないくらい多いです。
アンダーマネーによる損害は地域によっても全く異なりますし、利益の出方によっても変わります。お客様がたくさん来たら来たで、こういった機関との折衝が必要になります。
後ろ盾がない日本人の場合、利益の大部分を持っていかれてしまうケースもあります。
ここの乗り越え方は会社によっても異なりますが、フィリピンの闇の部分で、近い未来に解消されることはあり得ないので、注意が必要です。
また法律もフィリピン人を守るものが多いため、外国人が泣き寝入りするケースが多々あります。特に労働局に訴えられ、最悪ブラックリストに載ってしまうと、フィリピンへ入国出来なくなるケースもあります。
4.マネジメントの問題
フィリピンではどの業種においても比較的採用は困らないことが多く、Facebookやジョブストリートなどでほぼ解決出来ます。
ただマネジメントは非常に難しく、フィリピン人とトラブルがなく過ごせていると言うケースは0%に近いと思います。業種によっても層が異なるため、これで全てのフィリピン人に対応できる!と言うマネジメント方法は存在しません。
飲食なら飲食、サービス業ならサービス業、ITならITそれぞれで違うアプローチが必要です。
またフィリピンで日本人のざっくりした指示を察して理解してくれる人はほぼ見つかりません。見つけた場合は丁重に持てなしましょう。
正確かつ細かく指示を出さないと思った通りにならないことだらけなので、自分でやったほうが早いと思うことが日々あります。
ここはTIPSとして少し高くても優秀な人材、もしくは伸びそうな人材を採用することをお勧めします。
レストランの実体験で行くと、大さじの概念がまず伝わりません。
大さじ1杯で、といっているのにさじ山盛りで掬ってみたり、逆に半分以下で掬ってみたり。
正確に指示したはずでも思い通りにならないことだらけです。
Q&A
Q1. フィリピンで起業する際に最も注意すべきリスクは何ですか?
最も重要なリスクは、信頼できるパートナーや株主の選定です。特にフィリピンでは、株主構成に制限があるため、現地パートナーの選び方が成功を左右します。また、契約や証拠に基づいた関係を築くことが重要です。
Q2. フィリピンで数字に弱いとどのような問題が発生しますか?
フィリピンで提示される数字は、適当な場合や虚偽の場合が多いため、売上や利益、コストを正確に把握できないと損失を被る可能性があります。数字の信憑性を常に確認する姿勢が必要です。
Q3. 政治リスクとは具体的にどのようなものですか?
フィリピンでは大統領や市長が変わると、ビジネスルールや優遇措置が大きく変わることがあります。これにより、優遇されていたビジネスが突然不利な立場に立たされるリスクが存在します。
Q4. フィリピンの商習慣で特に難しい点は何ですか?
汚職や賄賂が横行しており、ビジネスパーミットや税務署、警察などとの交渉で予期せぬ支出が発生することがあります。これらの問題に対処するためには、地域の習慣や規則に精通する必要があります。
Q5. マネジメントの難しさとは具体的にどういうことですか?
フィリピンでは、指示を明確かつ細かく伝えないと、期待通りの結果が得られないことが多いです。また業種ごとに異なるアプローチが必要で、フィリピン人スタッフとのトラブルも避けられません。
最後に
フィリピンでの起業は、多くの可能性とチャンスがある一方で、現地のビジネス慣習やリスクに対する理解が不十分だと、予想外の困難に直面することが多いです。特に、株主構成の問題やパートナーシップの取り扱い、政治リスク、為替リスクなどは、起業家にとって大きな障害となり得ます。さらに、現地の商習慣や汚職、マネジメントの難しさも、成功するためには無視できない重要な要素です。しかし、これらのリスクを理解し、適切に対処することで、フィリピンでのビジネスは成功への道を切り開くことが可能です。信頼できる情報源を確保し、慎重な計画と実行を行うことで、フィリピン市場での成功を手に入れましょう。
またフィリピンの財閥と組んで、日本でするIPO以上の価値、資産を築けている方もいます。一筋縄では行きませんが、フィリピンと共生し、利益を上げ、雇用をたくさん産める会社が1社でも多く増えていけると嬉しいです。
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